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ブルーシードバッグは震災復興の種になる!熊本の素敵なプロジェクト

ブルーシードバッグは
震災復興の種になる!
熊本の素敵なプロジェクト

ブルーシードバッグは、2016年4月に起きた熊本地震で使用されたブルーシートを元に作成された震災の復興支援のバッグだ。これには復興支援にかける思いが背景にあり、発想の転換だと注目されている。今後の展開にも期待が寄せられることだろう。

みなさんはブルーシードバッグプロジェクトについて知っているだろうか。2016年4月に熊本県と大分県を最大深度7の地震が2度も襲った際、多くの家屋が倒壊や半壊の被害を受けたが、その時に家屋を覆っていたブルーシートをバッグとして再生し、復興のシンボルとして販売、その収益金を復興支援に充てるというものだ。その斬新なアイデアが注目を集めているが、この事業はこれだけにとどまっていない。ブルーシードバッグプロジェクトの将来的な展開についても考えがある。災害の多い昨今、このプロジェクトは復興支援の在り方にも発想の転換をもたらすだろう。

ブルーシードバッグとは

2016年4月14日と二日後の16日に熊本県と大分県に最大震度7の地震が起きたことは、周知の事実だ。その揺れの激しさから、多くの家屋が倒壊などの大きな被害を受けた。また、倒壊は免れたものの、風雨から家屋を守るため、ブルーシートが各家を覆い、その映像を報道で目にした人もいるのではないだろうか?ただ、それらは家屋の修復が進むにつれ役割を終え、ごみとして回収されるだけとなった。

そこで、熊本地震で実際に使用されたブルーシートをブルーシード(青い種)に、つまり、復興の希望となる青い種とすることを目指して作成されたのが、ブルーシードバッグだ。家屋を保護するのに実際に使われたものだけに、強い日差しにさらされたり、風雨が強くあたったりしたため、劣化が激しいものもあった。そのため、バッグとしての強度は十分とは言えない。このバッグは、日常使用すると言うよりも、震災の記憶をとだえさせないこと、また、被災地を応援する意識を忘れないことを意図して作られた記念品としての要素が高いものだ。

こちらは、ボランティア意識が高い大企業が行うものでも、新進気鋭のベンチャー企業が立ち上げたものでも、スタートアップ事業として行っているものでもない。被災地熊本の地元にある人材・素材を上手に使い、アイデアを持ち寄って、何とか震災からの復興を実現させる一歩となる種をまけるよう、携わる一人一人が負担を感じることなくプロジェクト参加する姿勢からこのバックが生まれたのだ。そのような意味で新感覚の復興支援事業と言えるかもしれない。

ブルーシードバッグが作られる背景と思い

2016年4月に熊本県と大分県で震度7を記録する地震が発生した。最大震度7の地震が短期間で2回起きた結果、家屋の倒壊や半壊は非常に多くなり、熊本・大分はどこに行っても震災にあった家屋を保護するためのブルーシートだらけとなってしまった。その風景は悲しいものがあったが、それでも被災地の家屋を保護し、強い日差しからも激しい風雨からも守ってくれたブルーシートであり、震災の象徴ともなっていった。「これをトートバッグにできないか?」と思い、ゴミになってしまう前に回収・洗浄してバッグにしようと考え、作成されたのがこのバッグだ。その名も「ブルーシードバッグ」である。

名前の由来だが、震災での住居がブルーシートに覆われた悲しい風景が、復興の種(シード)となり、少しでも明るいものに変えられないかという思いから名付けられている。こちらのブルーシードバッグだが、たとえ価格が高くなることになっても、復興支援という軸がぶれることがない。地元である熊本や大分での縫製や生産管理が徹底され、「メイドイン九州」にこだわっている。バッグには向かない素材である上、風雨に耐えた新品ではない生地の加工は容易ではないことであろう。そのため生産コストが高くなり、復興支援事業に実際に寄付される金額は少なくなるが、地元企業やそこで働く従業員を支援することになるわけだから正しい方向性を向いていると言える。ブルーシードバッグに込められた背景や思いは今後の復興支援でも大切にしていきたいものだ。

ブルーシードプロジェクトの凄さは着眼点と発想の転換

このプロジェクトは何がすごいのか。それは、ブルーシードバッグをつくるに至った着眼点と発想の転換だ。まずは、ブルーシートのリユースを思いついた点だが、これは今までに思いつく人はいなかったのではないだろうか。使用されたブルーシートは、雨風をしのぎ、家屋を守るために強い日差しにもあたってきており、見た目もあせているだろうし、強度としてもかなり落ちているだろう。長期間使用されてきたものもあり、当然ごみとして考えてもおかしくはない。それをリユースしてバッグにしようと考えることは、かなり新鮮な着眼点と言える。

さらに、ネガティブなものをポジティブに変えるという発想の転換はすばらしい。家に長期間ブルーシートがかけられた家の方であればわかるかもしれないが、遅々として進まない家の修理に、もうブルーシートは見たくないと考えてしまうこともあるはずだ。それを復興の種と考え、デザインを新たに、被災地以外の人々も巻き込むプロジェクトとしてしまう部分は今後の復興支援の在り方への勉強材料となることだろう。加えて、売上の一部が復興支援したい熊本・大分に落ちる仕組みを確立していることである。利益を出すことを目的としているならば、生産拠点を海外に置くことも考えるのは当然の流れだ。だが、あえて被災地の地元企業での生産とし、総合的に見て復興支援につながっていくスタイルを取っていることがこのプロジェクトのすごさであり強みであると言えるだろう。

ブルーシードバッグの展開

ブルーシードバッグは、このプロジェクトの考えや精神にのっとって様々な面で展開を見せている。まず、東京など熊本から遠い地で熊本の食材を使ってのカフェを開設することができた。とかく被災地から遠く離れている場所では、震災をイメージすることが難しく、復興支援としてどんなことをすればよいのか理解できないことも多い。このようなカフェを開設することで、自然と被災地の食材を購入することになり、復興支援ができることになるし、地元の生産者の励みともなる。さらに、熊本の焼酎やソウルフードを使っての復興バーが開かれた。地元の味を堪能しながら、被災地に思いをはせてもらう意味で良い取り組みとなっている。

加えて、復興支援事業を応援する取り組みも行っている。たとえば、被災地の西原村で花や種を植えるプロジェクトに協賛し、ブルーシードバックの売上を一部支援金として渡すことが行われた。西原村はニュースなどでの報道は少なかったものの、益城町と南阿蘇村に挟まれた場所に位置し、甚大な被害があった村だ。解体後の空き地が目立ち、家を建てるめどが立たないなど暗い話も多く聞かれる。そのような気が滅入ってしまうようなところで、花や種を植えることで被災した人々の慰めになってくれるとしたら、それはまさに希望の青い種であるブルーシードであり、ブルーシードバッグの精神にマッチしたものだと言える。このようにブルーシードバッグプロジェクトは様々な展開を見せている。

ブルーシードバッグプロジェクトは、震災の際に使われたブルーシートをバッグにして販売し、収益金を復興に役立てるという斬新な発想が起点となった事業だ。このプロジェクトは、地元への還元や復興支援という点でぶれがないのが強みだと言える。「メイドイン九州」にこだわりを持ち、地元企業の協力を仰ぎ、収益が地元に還元する仕組みが確立されているプロジェクトであるから、多くの支持もあり、広がりを見せている。地元の産業を支援するような取り組みや、注目されていない被災地にも目をとめて活動や支援を行うなど、今後の展開が楽しみだ。

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