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【法務格差をAIが解消!?】リーガルテックを扱うスタートアップ企業”GVA TECH株式会社”とは?

“リーガルテック”というキーワードをご存知だろうか?学生のみなさんには聞き馴染みのない言葉かもしれない。リーガルテックとは言葉の通り、「法律とIT技術を組み合わせた、リーガルサービスを提供するソフトウェアやテクノロジー」を指す言葉だ。
法律というと細かい規則や煩雑な書類作業をイメージする方が多いのではないだろうか。企業の運営においても、法務が絡んでくると専門の知識を持った弁護士の方に依頼するしかない、ということが多々ある。しかし、法務をサポートするリーガルサービスはその専門性に比例してコストも高く、起業直後の会社や個人がなかなか利用しずらいという問題点があった。この問題を解決する手段として生まれたのがリーガルテックという分野である。AIやITの技術によって、法務知識の専門性を一般化し、法人化や契約などにおけるビジネスの障壁をなくしていくことが期待できる。
今回は、そんなリーガルテックサービスを提供するGVA TECH株式会社の山本代表に直接取材させていただきました!

GVA TECH株式会社について

GVA TECH株式会社は2017年1月に、現代表取締役 山本 俊さんによって創設されたリーガルテックのスタートアップ企業である。以下のようなサービスを提供している。
・AI-CON(アイコン)
契約書業務の中でも、法律知識が必要とされる契約書ドラフト作成から交渉までのプロセスを、弁護士の知見を学習したAI(人工知能)がサポートするサービス。
・AI-CON(アイコン)ドラフト
契約書テンプレートのダウンロードや、AI契約作成機能で適切な契約書が作成できるサービス。
・AI-CON(アイコン)登記
法人登記支援サービス。必要書類をアップロードし、最低限の入力を行うだけで、法人登記への必要書類を自動作成することができる。

いざ、インタビュー!

山本 俊
GVA TECH 代表取締役
GVA法律事務所 代表弁護士
山梨学院大学法科大学院卒業後、司法試験に合格し、弁護士に。
弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て2012年にGVA法律事務所を設立。
2017年GVA TECHを創設。リーガルテックを用いたサービス開発の指揮を執っている。

サービスリリースの経緯

−山本さんは元々弁護士のお仕事をなさっていたということなのですが、「契約における法務格差をなくしたい」という問題意識が芽生えたのはどのようなことがきっかけだったのでしょうか?
山本(以下敬称略):スタートアップ支援をしていた時に、やっぱりスタートアップって大企業と比べて法務弱者なので、すごく不利な契約を結ばされそうになっていたりして。僕が間に入ることでそこの格差が埋まるっていう状況をずっと経験してたんで、そこからですね。で、今その役割をテクノロジーを使ってもっと幅広くやっている、という感じですね。

−その頃から “リーガルテック”という分野は日本で知られ始めていたんですか?
山本:リーガルテックとか出てたのは2016年頃からじゃないですか?ほんとに最近、ですね。2016年末あたりから考えて2017年1月に会社を創設しました。

−構想から着手までがとても速かったんですね。日本ではまだポピュラーではない分野でのサービスを作るということに対してはどのようなお気持ちでしたか?
山本:結構それまでも新しいことに挑戦してきたので、スタートアップ向けの法律事務所というのもそうですし。「新しいサービスだから」とかあまり難しく考えず、とりあえずやってみよう、と。抵抗や不安はあまりなかったです。

−AIやITの知識もスタートアップ支援をしている中で習得したのですか?
山本:いえ、その分野の知識はほぼゼロだったと思います。ビジネスの知識はありましたが、技術面は全然。

今後の展望

−今後はサービスをどのように展開したいとお考えですか?
山本:もっと深く課題解決につながるような形にしていきたいです。ターゲットによってニーズが多様なので、そこによりマッチするような。例えば、システム開発契約1つとっても、既存のものでシステム開発に関する良い契約書は作れるんです。でも、アプリの開発なのか、AIの開発なのか、開発の種類はアジャイルなのかウォーターフォールなのか、様々ある中で、今のふわっとした全般的なサービスだとニーズに刺さらなくなってきているんですよね。そこをもっと細かくしていかなければな、と思っています。

−多様なニーズに合わせて、サービスにも更に細分化された機能が求められているんですね。リーガルテックといえば欧米の方が先進的なイメージがありますが、将来的に海外進出もお考えですか?
山本:今のところあまり考えていないです。というのも法律の分野での海外展開って結構難しくて。日本の弁護士って日本の法律にそった資格を持っているわけで、それが海外で、海外の法律にそった法務支援をするっていうのはちょっと矛盾してしまうと思うんですよね。
でも、海外で困っている日本人がいるというのも事実で、ただでさえ外国の法律や文化が分からないのに日本語での支援もなかなかないっていう。なのでそこにニーズがあるのは確実なんです。今後はその課題解決にも取り組めたら、とは思っています。
うち(GVA法律事務所)も今タイの方に会社があるんですけど、そこでは日本の弁護士の下にタイの弁護士をつけて、という形でやっています。

−それは実現したらとても価値のある事業ですね。国独自の文化でいうと、日本では「紙媒体の書類」や「ハンコ」といったアナログなツールを重んじる傾向がありますが、その中でどのようにサービスを広めていきたいですか?
山本:やっぱりそこは大きいですね。「なんとなく電子が不安、紙・ハンコが安心」っていう。理解や文化というのはあると思うんですが「いや、紙の方が不安だぞ」って言いたいですね(笑)

−それでも今後少しずつリーガルテックというのは広まっていくと思うのですが、その中で弁護士の方をはじめとして、働き方はどのように変わっていくとお考えですか?
山本:よく言っているのは、もっとコミュニケーションの部分に時間をかけて、コミュニケーションの取り方で価値を発揮していかないと、ということですね。あとは新しい問題の発見というところですね。結局リーガルテックで使われるAIもITも過去のデータの蓄積や分析なので、新しい問題発見の部分は人がどんどんやっていかないと、と思います。

−今後、自社のサービスを通じて実現したい世界はありますか?
山本:やはり一番は、法務知識が乏しい人が自社のサービスを使うことで法務リテラシーを高くできること。例えば、そろばんを使えなくても計算機で計算できるとか、英語力がなくても翻訳ツールを用いれば英語を理解できるとか、同じように法務知識がない人でもAI-CONを使えば法律関係の障壁が消えて思うようにビジネスができるような世界が作れたらと。

学生に向けて

−一緒に働きたい学生像はありますか?
山本:そうですね、学生のうちからしっかりした志とかビジョンみたいなものは別になくてもいいと思っていて(笑)むしろしっかり決めずに、色んなことを吸収してくれたらいいなって。ただ、「丁寧な人」がいいとは思いますね。仕事って基本的には知識とか経験ないとできないじゃないですか。ただ、頼まれたことを丁寧にやってくれたらそれだけで戦力になるので、何もスキルがなくても丁寧な人がいいなって。

−リーガルテックの会社と聞くと「法律の知識がしっかりないと…」と思う人も多いと思うのですが、働くにあたってそこはどうですか?
山本:まああるに越したことはないですけど、法律の文章を読むのが逃げ出すレベルで苦手じゃなければ大丈夫です(笑)

−働き方として何か特徴はありますか?
山本:今は内部の働き方を幸せにすることが重視されているという雰囲気です。福利厚生の面でも、認可外保育園の一部負担・オンラインマッチングアプリの利用費用補助・花粉症のレーザー治療手当など、特徴のあるものをご用意しています(笑)
(参考:『GVA TECHの福利厚生を一挙ご紹介!』

−副業や兼業についてはどうですか?
山本:今はまだないですね。というのも今は集中してやった方がいいフェーズだと思っているので。集中してやることで人間って成長すると思いますし、今は会社にとっても働く人にとってもそれがためになると思っています。実際このフェーズで他のことやると、スタートアップで働く意味がなくなっちゃうとも思うんですよね、フルコミットで得られるものというか。ある程度会社が成熟したら、副業を認めた方が個人のためになるフェーズもやってくると思います。

−就職活動をする学生に向けてアドバイス等あればお願いします
山本:学生のうちに、やったことないことをひたすらたくさん経験したらいいと思います。どんなに頑張っても全世界、全てのことを見るというのはできないと思うので。やっぱり選べないと思うんですよ、色々な物事を見て選択肢を増やさないと、知らないと。僕なんて、学生時代ラーメン屋のバイトと司法試験の勉強くらいしかしてなかったんで、あと司法試験終わってから結果出るまでは青春18切符で全国の漫画喫茶に泊まりながらふらふらしてました(笑)

さいごに

今後、日本でも更なる展開が期待されるリーガルテック。今回はそんなサービスを扱うスタートアップ企業GVA TECH株式会社の山本代表にお話を伺った。フラットで、かつ強い意志も感じる山本代表の話を聞いていて、「ビジネスをするにあたって障壁の1つとなる法務格差が解消されたら、きっと日本はもっと面白くなるだろう」そんな期待を強く感じた。

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