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「おもてなし電話」で電話業務を効率化!株式会社シンカに直撃取材

みなさんは”CTI”という単語を聞いたことがあるだろうか。CTIとは”Computer Telephony Integration System”の略で、名前の通り、電話とパソコンを連携させることで電話業務を効率化するシステムのことである。電話がかかってくると同時に顧客の情報や商品情報、過去の取引状況などを表示したり、通話を録音したり、1人のオペレーターに電話が集中しないように制御する機能などが挙げられる。
今回は、そんなCTIを活用して、「おもてなし電話」というサービスを提供している株式会社シンカの代表取締役に取材した。

シンカ株式会社について

会社名    :シンカ株式会社
代表取締役社長:江尻 高宏
設立     :2014年1月8日
従業員数   :34名
事業内容   :1. ITを活用したシステム企画・開発及び運用
        2. クラウドサービス商品の企画・開発及び販売、運用
        3. ITサービス利用のコンサルティング
サービス   :クラウドCTI「おもてなし電話」

いざインタビュー!

江尻 高宏
関西大学大学院工学研究科修了後、株式会社日本総合研究所(日本総研)に入社。約8年間、金融系の情報システム開発に従事。その後、株式会社船井総合研究所(船井総研)に入社。営業戦略やマーケティング戦略、商品戦略を中心に、中小IT企業向けのコンサルティングに注力。
2014年1月にIT企業である株式会社シンカを設立。「ITで 世界をもっと おもしろく」を経営理念に、クラウドサービスを中心にITを世界に広めることに注力している。(株式会社 シンカ 役員紹介 より)

会社・サービスについて

−サービスをひとことで言うと、どのようなサービスですか?
江尻(以下敬称略):クラウド型のCTIのサービスで、会社や店舗に電話がかかってきた時、お客様の情報をパソコンやタブレットに表示するサービスです。

−具体的な利用方法を教えてください。
江尻:主に電話対応の効率化と、お客様に合わせて気持ちのいい対応をすることで顧客満足度をあげる手助けをする、というところです。

−テクノロジーを使って受電対応を効率化するということを思いついたきっかけはなんだったのでしょうか?
江尻:元々、15年くらい前にエンジニアをしていて、コールセンター向けの大規模なCTIの開発をして導入したところ、その効果が素晴らしかったんです。ただ、コストが高くて世の中に広まっていなかった。その後コンサルタントになった時、社内にまだまだ電話が多くかかってくる中で、それがとても属人的な作業だと気付いたんです。ベテランだとスムーズだけど新人だと途端にクレームになってしまったり。それを見ていて、中小企業こそCTIのシステムを導入すべきだなと。これまで高級なものとされていたCTIを安く開発して安く提供したら絶対喜ばれるはずだと。

−それまではオンプレ型が主流で、クラウド型はまだ少なかったのでしょうか。
江尻:クラウド型のCTIもコールセンター向けには、インターネットの普及と同時に10年前くらいから出てきていたのですが、アウトバウンドがメインで電話番号を050に変える必要があったりしたんです。うちは電話番号が変わらずにお安く使えて、クラウド型である、というのが特徴なんですよ。

−一般ユーザーからすると050の番号はや少し不信感があるし、通話の質も心配だという声があるようですね。
江尻:そうですね、やはり東京だと03〜から始まる番号がほしいですとか、せっかくクラウド型のCTIを取り入れても現状だとまだ通話の質が悪く何回もお客様に聞き直してしまい、クレームの原因になるという話を聞くことがありますね。

−ちなみに現在、導入社数はどれくらいになるんでしょうか。
江尻:1200社、1700拠点でご利用いただいています。

−サービス自体はいつから初めていらっしゃるのでしょう。
江尻:会社自体は2014年の1月に設立して今6年目なのですが、サービスを始めたのは同年の8月なので、もうじき5年経つというところですね。

−未だに成長し続けているサービスですが、競合他社はどちらになるのでしょうか。
江尻:ここといった競合は実はいないんですよ。ターゲットがコールセンターではなく一般的な企業で、かつこの機能でこの価格というサービスはなくて。部分的な面で見ていくとありますね。例えば対コールセンターですと、コールセンター向けクラウドCTIを提供している会社はいくつもあります。ただ、お客様のニーズによって性質が異なるので競合にならないというか。
例えばコールセンター向けの他者クラウドCTIと比較すると、電話番号を050に変えずに済むという点や価格帯が10分の1くらいという点ではうちの方が優れていますし、逆にコールセンターに特化した機能というところでいうと三者通話やACDなど機能の豊富さでは完敗ですね。

−御社のお客様だと、どういった業界の割合が高いのでしょうか。
江尻:BtoCの企業が圧倒的に多いのですが、その中でも一番多いのは不動産業界ですね。その次が自動車業界です。やはり接客が大事なビジネスになりますし、単価が高い商品なので何度も打ち合わせをすることが多く、購入後も車検やリフォームなど一生涯のお客様として付き合うので。

−今社内のエンジニアさんは何名ほどいらっしゃいますか?
江尻:5名ですね。でも人手が足りていないので積極的に採用しています。

−その他募集している職種はありますか?
江尻:あります。マーケティング、営業、カスタマーサクセスなどです。あとフィールドサポートという、イメージしづらいのですが現場に行ってアダプターを設置するような職種ですね。特殊なスキルが必要なのでこちらは中途の方メインにはなりますが。

今後の展開について

−これから描いているビジョンはどういったものになるのでしょう。
江尻:大きく2つあって、1つは音声データを取れるという強みを活かして、CTIから広げて、色々な形でコミュニケーションをとれる、コミュニケーションのプラットフォームを作りたいと思っています。例えばショートメッセージやアナログのはがきが送れるDM送信機能をつけたり、録音したデータをテキスト化し、そのデータを要約できるような機能をつけて、電話を切ったあと議事録や引き継ぎなど用途に合わせて何割で要約するかが選べるようなシステムにしようと思っています。そして、その履歴を全て残すことで、誰がどの企業・個人とどのようなツールでどのようにやり取りしたかを全て一元化して管理できるようにしようと思っています。
もう1つはこのプラットフォームから音声の部分を発展させて、音声データを全て管理してくれる、企業用のAIアシスタントを作ってしまおうかなと。更に、音声データから感情分析をする企業さんとコラボして、音声から感情を可視化することで、電話対応や社内のコミュニケーションをスムーズにしたり活性化させることができればなと思っています。

−ちなみに海外展開のご予定はありますか?
江尻:あります。我々は要するにCTIを使って電話対応に本来かかるはずだった時間を短くすることで、「先日の休暇はゴルフ行かれたんですか〜?」などといったお客様に合わせた密なコミュニケーションを更に取れるように、つまり「おもてなし」をできるような温かな世界をつくっていきたいんですよね。日本人って特にそれが得意とされていて、我々はその「電話でこの場面ではこんなことを言うといい」というコンテンツのデータを持っているわけなので、この「おもてなしの心」とCTIをクラウド型にしたものをパッケージ化して海外に持って行こうと思っています。2022年にアメリカ、2023年にアジア、2024年にドイツへ展開するビジョンです。

学生に向けて

−新卒のキャリアでベンチャーやスタートアップを選ぶ魅力や必要な覚悟があれば教えてください。
江尻:やはり大手の企業と一番異なるのは研修や制度といったところが整っていないので、決まった成長の線路の上で育ててもらえるわけではない、というのは覚悟が必要な部分だと思います。
魅力でいうと、若いうちに自分でやりたいことを発言して、それに対して責任を持った行動ができる、ということですね。なので、ベンチャーに向いている人というのは、「気付くアンテナを持っているか」ということだと思うんですよね。気付かないと新しいことはできないので、与えられた環境でどれだけ「もっとよくできないか」ということを考えられるかは重要だと思います。採用においても、そういったアンテナをどれだけ持っているかはよく見ていますね。あと社長をはじめとした経営者とかなり近い距離で働けることですね。

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−ベンチャー・スタートアップを選ぶ中でも迷う学生さんはいると思うのですが、こういった視点を持つといいというアドバイスはありますか?
江尻:ベンチャー企業に就職するのってやはり不安だと思うんですよ。来年どうなってるかわからないですし、親にも心配されるし。だからこそ、軸となる部分は色々あると思うのですが、やはり「経営者はその会社をなぜつくったのか」「将来どうしたいのか」といった理念やビジョンにどれだけ共感できるかは大切だと思います。

−御社の風土の特徴はありますか?
江尻:うちは特にチームワークがいいと思っていて。よく”チームシンカ”なんて呼んだりするんですけど、上から下までお互いに助け合って気配りしているし、良いことも悪いことも共有する文化がありますね。

−そんなチームワークを高めるために何かやっていることはありますか?
江尻:最近面白いなと思っているのは、所属部署とは別に3、4人でチームになってテーマを決めてプロジェクトをやっていますね。そのテーマも社内の活性化に貢献するような内容が多くて、イベントチームは社内でミュージカルを企画したり、健康チームは毎朝ストレッチを主催したり。
あとは朝礼を大切にしていて、毎朝一人一人が今日何をやるかの報告をしたり、当番制で「最近あったいいこと」の報告をしたりしています。これも気付きを大事にしようということで、隣の部署の人が何をやっているか、とか日常の中にアンテナを張ろうということを心がけています。

−一緒に働きたい学生像はありますか?
江尻:さっき言った「気付ける」ということもそうなんですが、あとはバイトでもサークルでも旅行でもなんでもいいですが、色々なことに積極的にチャレンジしてきた人がいいですね。あとは素直で元気なきもちのいい子がいいです。

−学生時代に取り組んでおいた方がいいことはありますか?
江尻:やはり学生時代にしかできないことをやってほしいですね。海外留学でも研究でもなんでもいいんですけど、自分の視野を広げてくれるようなことに打ち込んでくれたらいいなと思います。私自身は変わったバイトをたくさんやっていて、大学病院の食器を片付けたり、薬の治験バイトをしたり、地域で最も忙しいと言われているコンビニのバイトに応募してみたり(笑)そういった経験から「忙しさ」とか「緊張感」とかを身をもって学べたのはよかったですね。

−学生に向けてアピールしたいことはありますか?
江尻:今ちょうど新卒の2期目が入ってきているのですが、全体の人数が34名なのに対し4人とっていて、この規模でこれだけ新卒をとっているのは珍しいと思いますし、それだけ新卒を大切にする会社にしていきたいなと思っています。というのも、今後100〜200年続く会社にしていきたいと思っていますし、そのDNAを引き継いでくれるような人にぜひ飛び込んできてもらえればと思います!

さいごに

江尻社長のお話からはこれから面白くなる世の中への期待と、今まで以上に人と人の温かいコミュニケーションや「おもてなしの心」を大事にする社会にしていこうという意志が感じられた。和気あいあいとした会社の雰囲気も魅力的だ。
音声というデータが企業内の、そして企業とお客様のより密なコミュニケーションを手助けしてくれるような未来はすぐそこかもしれない。株式会社シンカの今後の更なる進化から目が離せない。

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